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ぬこたそそと星降る男もげげほげげ

空想したり文章を書いたりするのがすきです。いまできるからうれしい。うれしい。

あずまぬめり

何年も前から、都内の某私鉄を使って通勤している。 ご多分に漏れず、その電車も相当混雑している。一日仕事をして消耗するエネルギーの多くが、朝の通勤ラッシュ時に費やされているのではと思ったりすることもあり、そういう風に思ってしまうと途端に疲れが…

みなぎる世界

ふと目を覚ました。まるでコトリと音がしたような、音がしたから目が覚めたとか、音がしそうだったから目を覚ましたとか、そういうタイミングではなく、コトリという音でスイッチが入ったように目が覚めた。いつものくせでまぶたを両手で何度も擦りながら、…

やぶれかぶれという職業

私がこうして『やぶれかぶれ』という職種で、永らく第一人者の座に君臨し続けることができたのは、ひとえに運が良かっただけなのだと、今となれば思う。 一時期、『やぶれかぶれ』という職業に対する私の仕事ぶりを見た一部の人々から、「十把一絡げである」…

舐め地図

私が初めて、舐め地図ということばを耳にしたのは、たしか、小学五年の夏だった。 ある年から、父方の祖父と祖母の住む千葉の外房に数日の間、家族揃って帰省しており、それは私にとっては三度目の訪問であった。 若い頃、祖父とそりの合わなかった父は、地…

決議

「はい、そこまで!」 ラインズマンの笛が鳴ったと同時に、主審は声を張り上げた。 室内の空気を、中心から外へ向かって張りつけていた鋭角な均衡が、ぬるりとしたものに変わる。この瞬間、ここにいる人々は集団を守る動きから個人の体を守る動きへと、一瞬…

ウルトラマリン

矢継ぎ早に質問が飛んできて、それがカマドウ=カマロを一層苦悩させた。そもそも人前で意見を交換すること自体が苦手なのに、そのうえ、こんなに大勢の好奇の視線と挑発的な質問を一身に浴びせられるとは。 隣りに座って、カマドウ=カマロの額に浮かびはじ…

ぬこたそそと星降る男

だいぶ大きな爆発音がして、それを鮨河原は決して大きくないと言うのだけど、そこのところで議論が白熱している最中に、今度は米次が、ちゃんと決着をつけるべきだと口を挿む。ぼくは急場凌ぎではあるけど、自生のブーツをサッと履いて外に飛び出した。 何か…

宇宙遠足旅行

宇宙遠足旅行に行くことになった。なったと書いちゃったが、ずっと前から、明日は宇宙旅行遠足だって知っている。ぼくは、ずっと前から宇宙旅行遠足に行くのが嫌で、いつまでも4年生にならなければいいのになあと思っていた。同じ通学団で近所に住む5年生…